[ホームページを「できる営業マン」にする方法]
広告をお休みして見えてきたこと
リスティング広告にまつわる、ちょっとしたエピソードです。
実際にあった話ですが、ぼんやりと脚色しています。
昨年の秋、ある企業サイトではリスティング広告を出して集客を
行っていました。月の問い合わせ数は300件を超え、
うちおよそ半分が広告経由。数字だけ見れば順調そのものです。
一方、今年は諸事情あって広告を出さなかったにもかかわらず、
問い合わせの数は昨年とほとんど変わりませんでした。つまり、
自然検索など広告以外のオーガニックな流入が増えました。
このような結果から考えられるのは、
「広告がなくてもサイト自体に集客力がある」ということです。
広告を止めても成果が維持できているのは、
検索順位やコンテンツの質が高く、ユーザーが自然に訪れる流れが
できているからだと考えられます。
また、広告を出していた時期には、検索結果の上部に広告が
表示されていたことで、本来は自然検索から来ていた人が
広告をクリックしていた可能性もあります。
特に会社名や商品名などの「指名ワード」で広告を出していた場合、
広告と自然検索のあいだで"食い合い(カニバリ)"が
起こりやすくなります。
広告の運用を続けていると、成果を数字で追うあまり、
どうしてもコンバージョン率が高い「指名ワード」中心の出稿に
偏りがちになります。
確かに効率が良く見えるのですが、
それはもともと自社を知っている人に広告を見せているだけ、
というケースも考えられます。つまり、自然検索で十分に取れて
いた成果を、わざわざ有料で取っている可能性もあるのです。
こうした状況は、数字上では一見効率が良く見えても、
全体最適という観点では費用のムダにつながりかねません。
とはいえ、広告をやめようという話ではありません。
新しいお客様に出会うためには、広告は今も大切な手段です。
ただ、広告のあり方を少し見直すだけで、費用の使い方はもっと
賢くできるはずです。
大事なのは「どんな人に・どんな目的で」広告を届けたいのかを
整理すること。
広告とオーガニック、
それぞれの役割を上手に分けて運用していくことで、
費用をかけすぎることなく、より自然な集客の流れをつくることが
できるのではないでしょうか。
2025.10.08